アートの仕事 in Hollywood

ハリウッド・キャラクターデザイナー片桐裕司による、ハリウッド映画の仕事の話、絵や造形の上達の仕方・プロになりたい人などに役立つ情報を発信しています

アメリカ大統領選挙に投票した話

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皆さんこんにちは!

ハリウッドのアーティストと謳っておきながら、日本在住疑惑が色濃い片桐裕司です。

その疑惑を払拭するためつい先日、アメリカ大統領選挙の投票をしてきました。
今回はそのレポートをしたいと思います。

1. 日本の投票との違い

私は高校卒業後、18歳でアメリカに移住したため、なんと日本で投票したことがありません!

そして生まれて初めて投票というのを経験したのは4年前。
そう。アメリカの市民権をとって初めての前回の大統領選挙です。

ということですみませんが、日本とアメリカの投票の違いは全くわかりません。(笑)

ただただこちらで体験した事をレポートしたいと思います。 

2. はじめに

選挙前になると、選挙の登録をしなさいという郵便物がやたらと届きます。

誰でも投票できるわけではなく、本人であるという登録をしなければ投票できないからです。

その登録が投票の第一歩です。

郵送してきたものに自分の情報を書き込んで、付属の封筒で送り返します。

これで登録は完了です。簡単ですね。

あと当然今はオンラインで登録もできます。

前までは投票日の1−2週間前までに登録を済ませなければいけなかったのが、今は投票当日でも大丈夫です。
世の中便利になったものですね。

3. 投票のやり方の選択

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前回までは投票日は1日だけと決まっていたのですが、(もちろん登録すれば事前投票もありますが)今年はコロナの影響で、投票所の混雑を避けるため投票日が5日間になりました。
正式な投票日は11月3日(火)ですが、10月30日(金)から投票が出来ます。

郵送でももちろん出来ますが、私はこのネタのために、投票所に行って投票するつもりだったので郵送は無視です。

郵送でなく実際に投票する場合も、2種類の選択肢があります。

ネットで全ての選択を済ましてから投票所に行くのと、投票所で選択をするというもの。

大統領選なんてトランプかバイデンの2択で、あっという間に終わっちゃうのになんでわざわざそんな事するの?

と思ってる皆さん。

私も前回大統領選挙に初めて投票するまではそう思っていました。

実は大統領選挙は、大統領に投票するだけのものではないのです。

4. トンデモない数の選択肢

私はあらかじめオンラインで投票していくことにしました。

まずは下の写真を見てください。オンライン投票の1ページ目です。

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訳すと、

ロサンゼルスコミュニティカレッジ区 管財委員会委員、第一議席
一人に投票

となっております。

スクロールすると、8名の候補者がおり、その中から一人選ぶ様になっています。

聞いたことない人ばかり、、、

 

それよりも何の機関なのかも見当もつかない

 

しかし注目するのは一番下

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1/26とありますね。

なんとこれは26項目ある選択肢の1つ目ということなのです!!!
 

こんな一度も聞いたことが無い人たちばかりでなく、何の議員を選んでるかも判らない人たちを選出しながら進んでいかないと大統領まで辿り着けないのです。

 

早くも挫折しそうだ!

 
果たして私は大統領候補に一票入れられるのだろうか??

5. 恐るべしアメリカ大統領選挙

それは4年前の出来事でした。

日本も含めて生まれて初めての投票に私は胸を躍らせていました。

生まれて初めての投票がなんとアメリカ大統領選挙

その時はヒラリーさんか、トランプさんでした。

ライトもレフトも分からずに向かった投票所。

家に届いた投票人番号が書かれた葉書を手に初めての投票。

左右をついたてに挟まれたスペースで、初めて投票用紙というものを目にしました。

想像していたのは、ヒラリーとトランプの2択。

しかし目の前に何枚も重なっている投票用紙は私の想像を超える、というか、何が書いてあるのかすらも分からない暗号の様な項目がひたすらに書き連ねてあったのである。

「なんじゃこりゃ!!」と思わず叫んで殉職したくなる衝動を抑えてよく読んでみると、どうやら他の機関の役人たちも投票する様になっているのがわかった。

実はその日はセミナーのために日本に向けて発つ日であり、空港に向かう前にちゃちゃっと大統領候補に一票入れて行く予定だったのである。

1−2分で済む。

そんな予測は見事に覆されたのである。

大急ぎで目を通し、てきとう、、、慎重に候補を選びながら最後の最後の項目にある、大統領候補にたどり着いた思い出があるのである。

その後大急ぎで空港に向かい、日本に到着した時にトランプ大統領が挨拶をしていて衝撃を受けたのをよく覚えています。

6. 投票方法の大きな進歩

そんな経緯があったので、今回はオンラインであらかじめ投票することにしました。

とは言っても、候補が何者かも分からずに投票するのも良くないので、ほとんどスキップ。

スキップできてよかった! 

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ちなみに誰かを選択すると黒くなります。

そして州上院議員25区とか州議会員39区とか上位裁判所裁判官公職番号80とか上位裁判所裁判官公職番号162とか、もう

訳のわからない政府機関の投票がひたすら続きます、、、

ようやくそれが終わっても、まだまだ大統領には辿り着けません。

次に来るのは、新しい法案の可否投票が待っているのです!

7. 新法案の可否

ちなみに私は日常会話なら英語は話せますが、政治的専門用語が入るともう訳わからなくなるので、投票用紙解説の日本語をもらっています。

その辺さすがは移民の国。
様々な言語でのサポートがあります。

そんな訳で、読者の皆さんのために今回投票を受け付けている法案の一つを日本語で紹介します。

群法案J

コミュニティへの投資と投獄の代替案に対する郡予算の最小割り当て。この法案(憲章修正案を採用した条例に詳述されているとおり、コミュニティの投資と投獄の代替案を通じて人種的不正の不均衡な影響に対処し、郡の地元で生み出された一般基金の規制されていない収入のうち少なくとも十パーセント(10%)を群の予算に毎年割り当て、そして、これらの資金を刑務所システムや法執行機関に使用することを禁止する)を採択するべきですか? ●法案に賛成 ●法案に反対

ふむふむ、、、 なるほど。
投資と投獄の代替案を通じて人種的不正の不均衡、、、

 

わかるか!!!

 

全く頭に入ってこない!
こんな感じの法案の可否投票がなんと13もあるのである!

はっきりと宣言します。

 

やってらんねぇ!!

これら全てを通過しないと大統領を選べないのである。

アメリカ大統領選。何という恐ろしいイベントなのでしょう!!

8. 大統領候補に投票の前に

長い、、、長い道のりであった、、、

全て白紙で素通りしても長い、、、

この長い道のりの終わり。

私はついに大統領に一票投じるところまで辿り着いたのである。

 

トランプかバイデンか!

とほっとしたのも束の間。

私は自分の目を疑った。

何と、、、

大統領候補は6人いたのである!!!

9. 6人いた大統領候補

何ということだろうか!
大統領候補は2人なんかじゃなかった。

6人もいたのだ!!

私の両親は父と母の二人だと思ってたのに、四人の男が「俺が本当のお父さんだよ」といきなり現れた。

そんな心境である。

母はどれだけ遊んでいたのか。

まさにオーマイガッド!

大統領候補

Gloria La Riva(平和自由党
Roque "Rocky" De La Fuente Guerra (アメリカ独立党)
Howie Hawkins (グリーン党)
Jo Jorgensen (自由党)
Joseph R. Biden (民主党)
Donald J. Trump (共和党)

聞いてねぇよ〜! とダチョウ倶楽部張りに叫んでもその事実は変わらない。

もっともまあ2択でどちらかにする予定だったから関係ないのだけれど、、、

ここまで他の候補者が取り沙汰されないのも何なんでしょうね?

メディアに全く無視されてるし。

こうして数多の苦労を乗り越え、ついに投票を終えたのでした。

最後まで行くと、QRコードが発行されるので、それをスクショして投票所へゴー!

ちなみに誰を選んだかは、ひ・み・つ

10. ついに投票所へ

投票所はかなりあちこちにあり、ウチから一番近いところは車で45分のところ。

ここからは写真で紹介していきます。

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まずは投票所
学校ですなここは

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案内に促されて行きます。今日は暑い!

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まずは受付。
うちに届いた登録済みのバーコードを渡します。

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スマホにある事前投票済みのQRコードを見せたら、そのやり方での投票は私が第一号とのこと。スタッフのお姉さんたちもちょっと戸惑ってました。

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5日間の初日で平日の昼前ということもあってかめちゃくちゃ空いてます。

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投票は何とタブレットです。
オンライン事前投票してなければ、ここですることになります。

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日本はどうかわかりませんが、アメリカがすごいと思うところは、ハンディキャップがある人たちも対策がよくできてること。使い方は知らんけど。

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スマホQRコードをスキャンさせたら、画面にこれでいいかの表示が出てきます。
大統領以外選んでないので、ビックリマークだらけ、、、
気が変わったらここでも変更できる仕組みです。

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確認を終えると、プリントしていいかの表示が。

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Yesを押すと、かっこいい感じで印刷された投票用紙がプリントされて光のところから出てきました。

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こんな感じで。
大きさはA4くらいとでかい!

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投票の準備はいいかい? と聞かれます。
投票ってVote以外にCastというんですね。初めて知った。

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そして今出てきた紙を確認して、再び同じところに差し込むと、紙は機械の中に吸い込まれます。

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最後にこの様な表示が出ます。

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そして帰り際に、”我投票せり” のステッカーをもらって終了!

到着してからものの5分もいなかったかも。

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そんな訳で投票終了!

誇らしげにステッカーを貼ってみました。

11. 最後に

そんな感じで、日本人にはなかなか馴染みのないアメリカ大統領選挙をレポートしてみました!

テレビとかではなかなか見られない、一市民の視点からのレポートなので楽しんでもらえましたら嬉しいです。

映画業界がコロナで大打撃なので、早く景気が回復してもらいたいものです。

誰になっても頑張れ大統領!

chokokuseminar.com