アートの仕事 in Hollywood

ハリウッド・キャラクターデザイナー片桐裕司による、ハリウッド映画の仕事の話、絵や造形の上達の仕方・プロになりたい人などに役立つ情報を発信しています

自信をつける方法

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自信をつけたい。
自信が持てる様になりたい。

私の彫刻セミナーではこの様な思いを持って参加する人たちが数多くいます。

それほど自信をつけるのは難しいことだと思われています。

ところがどっこい自信をつけることはそれほど難しいことではないのです。

今回は【どうやったら自信がつくのか】を解説していきたいと思います。

1. 自信を持つ事の間違い

まずは多くの人が考えている自信の勘違いを説明したいと思います。

自信を持ってすると良い

こういう言葉をよく聞きますね?

本当にデキる人であればその通りやって差し支えありませんが、レベルの低い人、全然できない人たちが「やれば出来るんだ」と自信を持ってやったとしても実は逆効果になってしまいます。

どういうことでしょうか?

もし自信のない人や実力が低い人が自信を持って臨む場合、それはレベル2の実力の人が、レベル20のものができると思い込むという場合が多いのです。

 

ホイミすら使えないのに竜王を倒せると思い込むようなものですね。

はい。すみません。初代ドラクエ世代です。

 

結果は当然、死にます。笑 

ラスボスである竜王と戦うどころか、そこまで辿り着けもしません。

 

3−4回挑戦しても結果は同じです。

 

そしてどうなるかというと、自信を持ってやったはずなのに、持っていた自信を失って余計落ち込んでしまうのです。

典型的なパターンです。

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結果として自信を失ったわけですが、では果たして最初に持っていた自信というのは本当に自信と呼べるものだったのでしょうか?

 

少し違う気がしますね?

 

スライムを数体倒してレベル2になってすぐに、俺は竜王を倒せる! と思っているようなものですから。

 

これは勇気でも自信でもなんでもなくて、ただの愚か者です。

自分は出来るという根拠のない自信を持つことの意味を勘違いしています。

 

それから出来ないけれど自信を持つ。
というパターンの他に、
出来ないから自信がない、自信が持てないという人もいます。

まぁこれが普通なんですが。

2. 自信が持てない

これはあなたは冒険を始めてスライムを数体倒してたら、どこかの勇者が竜王を倒してしまいました。
それをみて、あの勇者は竜王すら倒せるのに自分はスライムを倒すのがやっと、、、 

自分なんかダメな人間だ!

 

と思ってしまう様なものなんですね。

 

しかし竜王を倒した勇者というのは、冒険を始めて城を出てすぐ竜王を倒せるようになったわけではないのです。

 

スライムと戦うことからはじめ、何百匹の魔物を倒してレベルを上げ、少しずつ溜まったゴールドで武器や防具を買い、時には傷つき、時には死んで怒られて、復活の呪文を間違えて挫折したり、ローラ姫を救った帰りに宿屋に泊まっていい思いをしたりして、いろいろな経験や挫折をしてようやく竜王を倒してるんです。

だけど多くの人は、あの勇者は竜王を倒したという今現在の結果だけしか見ずに、そこに至るまでのプロセスを無視して、あの人は生まれた時から勇者だったから、と決めつけて、今の自分の実力と比べて自信を失ってしまうのですね。

非常にもったいないことです。

絵や造形がどんなに上手い人でも、上手くなったのはそこに至るまでの積み重ねの結果であって、10年前からそこまで上手かったわけではないのです。

そのプロセスを見ずに、結果だけを見て判断し、あの人は自分とは違って特別なんだと思い込み自信を失ってしまう。 

自信を持てない、自信を失うというのは全て自分の考え方に原因があるのであり、決して今の自分が、出来ないからではないのです。

よくあるパターン

この人に認められたら自信が持てる。
この賞を取れたら自信が持てる。
これができるようになったら自信が持てる。

このように考える人が大勢います。

 

卑屈で、自分に自信が持てない人はこのように考えて、結果そうなって自信を持ったとしても、ちょっとしたきっかけでまた自信を失ってしまったりします。

憧れの人が褒めてくれて自信がついたけど、他の人に批判された。
あの賞を取って自信がついたけど、翌年もっとすごい人が賞をとった。
これができるようになって自信がついたけど、もっと上手い人の作品をみた。

理由は様々ですが、
「今は自信がないけど、こうなったら自信が持てる」と思ってる人は、自分の体が悪いときに、痛み止めを飲めば体が良くなると思うようなものです。

飲んだときは自分の体が悪いのをしばし忘れることができますが、根本の治療にはなっていません。

一時凌ぎの薬が切れたらまた痛み出します。

Twitterリツイートの数や、賞を取ることや、誰かに認められることとか、
自分でなく相手の反応という外的要因を自分の自信の拠り所にしていては、外界が変化するたび自分の気持ちが右往左往してしまいます。

 生前のゴッホの絵なんてほとんど認められていなかったのですから、世間の反応を自信のよりどころとしていたのなら死ぬまで自信を持つことができないという悲惨極まりないこともあり得ますね。

周りの反応に対して得られる様な自信。

それは本当の自信とは言えません。

3. 自信は今すぐに持てる 

しかし自信というのは驚くことに、今この瞬間から持つことが可能なのです。

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賞なんて取らずに
誰かに褒められずに
まだ大したことができなくても自信は持てるのです。

そんな上手い話があるわけないじゃんと思われるかもしれませんが、本当なんです。

今からとっておきの方法を教えます。

 

私から自信の壺(60万円)か、パワーのあるコンフィデンストーン(38万円)を買って家に置いておけばいいのです。

それだけで簡単にに自信が持てます。

 

嘘です。ごめんなさい。

 

では壺や石を持たずにどうやって自信を持つことができるのでしょうか?

 

それは、、、

 

 

諦める】のです。

 

え? お前何言ってんだ? 自信を持つことを諦めたら自信なんて持てないじゃないか?

これは詐欺か? 詐欺なんか? やっぱり壺や石を買わされるのか?

 

と思われるかもしれませんが、決してそんなことはありません。

 

ここで “諦める” ことの本当の意味を解説します。

4. 自信を持つために諦める

諦めるとは、放棄するとかギブアップするという意味と捉えてマイナスイメージがあると思いますが、実はもともと仏教の諦観という言葉から来ています。

 

諦観とは、明らかに観るという意味です。

本来は、物事を明らかにする。真実を捉える。という意味なのです。

 

それが諦めるという言葉になったのですが、本来の意味は決してネガティブな言葉ではないのです。

 

そして諦めることが自信を持つこととどうつながるのでしょうか?

 

自信を持つためには、まずは自分を諦める。つまり明らかに見てみるのです。

自信を失うサイクル

自信を持ってイラスト、造形、モデリングなどをする

思ってたよりうまくいかない

落ち込む

もっと頑張ってみたらもう少しいい物ができる

ネットに溢れてるめちゃすごい人たちの作品と比べて落ち込む。

やっぱり自分はダメなんだ。才能なんてないんだ。と自信を失ってしまう。

でも好きだからもう少し続けてみる。

だけど思うようにいかない。

再びネットに溢れてるめちゃすごい人たちの作品と比べる。

落ち込んでさらに自信を失う。

こんなサイクルでずっと自信が持てない。

そういう人は非常に多いと思います。

何をやっても自信が持てない。
自分は出来る様になる気がしない。

そうなった時どうすればいいのでしょうか?

 

そうです。諦めるのです。

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もう一度 ”諦める” の本当の意味を思い出してみましょう。

物事を明らかにする。真実を捉える。でしたよね?

 

自信を失うサイクルで、

思ってたよりうまくいかない

落ち込む

というのがありましたね?

ではこの 「思ってた」というのは何なのでしょうか?

 

「自分はこれくらい出来るはずだ!」
  もしくは
「これくらい出来なきゃいけない」 

ということではないでしょうか?
 

その「思い」という【理想】と、結果として出てくる「今の自分の実力」という【現実】
その理想と現実のギャップで落ち込むのです。

つまりそれは自分を諦めていないのです。
自分の本当の実力を見ていないという事なのです。

自信をつけるために
「自分は出来る!」
と無理に思いこむことが逆に自分を苦しめているのです。

そうなんです。
実力が足りてなければ出来るわけないのです。

当たり前なんです。

 

自分が思う【理想】と現実の【実力】とのギャップ。

これを明らかにして観るのです。

5. 今の自分を認める

今の自分を明らかにして観るという事は、まだまだ出来ていないという今の自分の実力を認めるということです。

自分はまだこんなもんなのだという事実を認めるのです。

 

あの山まで行ければ自信が持てると思っていて、実際にたどり着くと、その先にはもっと高い山がいることに気づきます。

ガッカリして、でもまたさらにその高い山を目指し、たどり着いたらさらに大きな山に出会います。

世界は広いし上には上がいます。

その人たちと比べてばかりいると、一生死ぬまで誰かと比較して自信を失い続けることが可能なのです。

 

だから自分の今の山の高さを認めない限りは、一生苦しみ続けるのです。
あそこまで高くなったら自信が持てるだろうというのは一時凌ぎの痛み止めなのです。
そこまで高くなっても、さらに高い山があることを知るのですから。

 

しかしながら、今の自分がどんなに平均より劣っていたとしても、これが今の自分の実力だと認めることができれば、冷静に周りが見えてきます。

卑屈になるのではありません。
そして決して出来ないことがいけないことだと思わないこと。
客観的に、ここにいる自分の立ち位置を見るのです。

そうするとここをベースに積み重ねていくと言う正当な努力が出来るのです。

 

つまり今の自分と周りを明らかにして、それを認めた上で努力するのです。

 

本当の自信というのは今の自分をそのまま広げていくことでしか出来ません。

他者から褒められたり賞をもらったりといった、外的要因で与えられるのではなく、自分自身の今の実力を認めることにより芽生えるのです。

 

つまり今この瞬間に自信を持つことができる。

 

自信とは自身なのです。

次回→ 自信を継続させるためには

 

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